昨日の東京は気温三十七度を記録した。こうも暑いと食欲がなくなつてくる。暑いときでも食べられるものは、鰻、アイス、カレーであらう。素麺は物足りないし、寿司は場合による。
鰻については失敗済みである。国産鰻を鰻屋で五千円支払つて食べたら鰻が小さい。そこで国産鰻をスーパーで買つて焼いたら、アルミホイルに焦げ付いてバラバラの櫃まぶしになつてしまつた。チエーン店で中国産の鰻を食べたら、私の口に合わなかつた。結論としては鰻屋で七千円支払うのがいい。余程目出度い事がなければ鰻屋で七千円は支払わないから、当面鰻を食べることはなさそうである。
そこへいくと、アイスは特段問題ない。問題が有るとすれば栄養価が足らない事であらうけれども、そんな事は取るに足らない事である。私はスーパーへ行き、カレー用の肉と、アイスを二箱買つて帰つた。とりあえずアイスを一本食べておく。
カレーについては、米が問題である。今年は米が高く、国が備蓄米を大放出したとニユースになつたほどであつた。私は農家直送の米を貰い受けてちびちびと食していたのであるけれども、秋に貰つた米が冬を越し春になると、米袋内の穀象虫が運動会を始めるやうになつた。毎回米を炊く度に虫を退治していたけれども、それでは大変なので、今日は米袋内の残りの米を屋外で笊に空けて虫を全滅してみた。笊からこぼれた虫を靴でひたすら踏み、笊の上に這い上がつてきた虫を指で潰すという原始的な方法だつたので、すつかり疲れてしまつた。今調べたら、筵に米を広げれば、光に反応した穀象虫が表面に出てくるので、順次土竜叩きの要領で倒せば良かつたらしい。筵は持つていないので、今度買つておこうかと思う。
今日は疲れたのでカレーを作るのはあきらめて、米だけ炊いておいた。夕食は、以前買つて食べる機会がなかつたポテトチツプスである。まだ新鮮で美味い。明日の朝は、ルーを作つてカレーも作る。これで明日は夜まで存分にカレーを食することができる。
スーパーでは寿司も売つていた。売つていたけれども、半額シールが貼られていなかつたので、買おうと思えなかつた。半額シールさえ貼つてあつたらなあ。ダメ人間なので、考えなくていいことまで考えてしまう。そして、考えなくてはいけないことは、うつかり考えずに過ごしてしまうのであらう。
カレーが私のやうなダメ人間に響くのは、圧倒的な美味さと満足感があるからである。えっ、この価格でこの味と栄養と満足感?すつげえ。カレーは常に、圧倒的なコストパフオーマンスで勝ち続けるのである。インドの人たちに幸あれ。