第33夜(2025年4月16日) 気晴らし


 年初から右肩が痛いと思つていたら、最近は首が回らなくなつてきていた。いわゆる時計首(スマホ首)かもしれぬ。あるいは仕事のせいかもしれぬと思つて、昨日の午前中に抱えている仕事の内容を全部書き出してみたら、自分で思つていた以上にいつぱいいつぱいになつていた。私としては初めてのことである。



 古来よりこのやうな場合には気晴らしが大切であるという。スポーツという言葉の語源は気晴らしという意味であると聞く。その日の午後は気晴らしにゴルフの練習をした。その前日にふらつと立ち寄つたゴルフショツプで店員さんが別の客に勧めていたウエツジが良さそうだつたので、買つておいたのである。前回のゴルフは残り二十ヤードで失敗ばかりしていたので、ウエツジを買い換えることにした。練習場で試してみたら重量感があつて良いウエツジである。

 もう脳内では次のゴルフで良いスコアが出ている。ドライバーを真つ直ぐ飛ばして、第二打は五番アイアンで距離を出し、第三打は八番アイアンかピツチングで残り二十ヤードまで寄せる。最後は新しく買つたウエツジでボールをカツプに入れればパー。カツプを外してもパターで入れればボギーで済む。

 もちろんこのやうに上手く行く訳ではないし、上手く行くのも面白くない。トラブルを乗り越えてこそのゴルフであらう。ただ、持参するクラブが六本か七本で済むのは気分が良い。多く持ち運ぶのは気が重いからである。さて次のゴルフはというと、お誘い頂いた日程に既に仕事の用事が入つていて参加することができない。次のゴルフは秋になりさうである。



 さうであればゴルフの事は綺麗さつぱり忘れてしまつて、サツカーの上達の事でも考えることにしやうか。忘れるのは精神衛生上良いさうである。最近インフロントキツクが飛ぶようになつた。ボールに対し七十度の角度で入るといいやうである。弾道を低く抑えたいなら四十五度の角度で入つて左足をボールよりも前に大きく踏み込んで蹴るといい。サツカーを長時間すると目眩がして困つていたのだけれども、乱視用コンタクトを買つたので目眩もしなくなりさうである。最近検査するまで、左目が乱視になつていることを全く知らなかつた。

 サツカーの上達は時間の掛かることであるから、サツカーの上達の事も綺麗さつぱり忘れてしまつて、裏庭に花壇を作らうか。ベランダのペンキも塗る必要がある。肌が限界に来ているので、この夏は日焼けしないやうに、日焼け止めを塗つたり日傘を買つたりもしたい。下手なゲームも少しは上達したい。最近リリースされた時計用ゲームに毎日ログインするのが忙しい。ああ、さうだつた、全部書き出してみたら今までで一番仕事が多く有る。いつぱいいつぱいである。時計用ゲームに時間を使わないやうに気を付けて仕事をしなければならない。四月も半ばを過ぎた。振り返ると二月も三月もあつという間であり、仕事も思うやうに捗つていないけれども、小説は短編を二作書いただけで三作目の短編が途中で止まつている。このペースでは秋の賞に応募する長編を書くのは難しいかもしれない。短編の応募に切り替えやうか。このやうに考えているだけでも時間はどんどん過ぎてゆく。



 右肩は、ストレツチなるものをお試しでお願いして肩をぐりぐりして貰つたら綺麗に治つた。そのおかげで首も少し回るやうになつた気がする。仕事は頑張つているけれども小説は進んでおらず秋の賞に応募することができるのかどうか甚だ心許ない。考えてみたら今までずつと、さうだつたやうな気がする。今年も今まで通りの一年だらうか。秋のゴルフで良いスコアを出すのも、やつぱり難しいのであらうな。






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2025/4/16、4/22、4/30追記
文責:福武 功蔵