第153回 昭和の日の巻


 今日は昭和の日です。

 昭和の日は、昭和天皇の誕生日。2005年まではみどりの日、その前は、1948年から1988年までは天皇誕生日、1926年から1947年までは天長節でした。

 昭和天皇が亡くなり、年号が昭和から平成へ代わった後、従前の天皇誕生日がみどりの日として残されました。

 1989年2月10日の国会の内閣委員会の議事録から以下転載します。



―現行の国民の祝日に、四月二十九日を新たに「みどりの日」として加えることとしております。

 飛躍的な経済成長の結果、我が国の国民生活は、物質的にはほぼ満足し得る水準に達したものと考えられますが、これからは、これまでにも増して心の潤いやゆとりといった心の豊かさを涵養することが求められています。

 我が国は緑豊かな自然を持った国であることにかんがみ、この自然に親しむとともに、その恩恵に感謝し、豊かな、心をはぐくむことを願い、「みどりの日」として国民の祝日とするものであります。

 また、この日を四月二十九日にするのは、この時期が新緑の季節として緑豊かな自然に親しむ上で最もふさわしい時期であり、同日が六十有余年にわたり天皇誕生日であり、ゴールデンウィークのいわば始まりの休日として国民の間に定着しているからであります…



 なるほど、昭和天皇の誕生日は、ゴールデンウィークの始まりの休日でもあるのですね。

 ゴールデンウィークは、日本の国民的バケーションであり、昭和中期の高度経済成長に伴い、土曜日を休む風潮や、1973年の振替休日の制定により、大型連休として位置付けられるようになったようです。

 ゴールデンウィークの成立には、偶然の面も大きく、憲法記念日が憲法を施行した日、つまり5月3日になったことが大きかったように思います。後述するように、憲法を公布した日である11月3日を憲法記念日とする案も有力に存在しました。



 ところで、バケーションという言葉は、日本語になかった言葉だと思います。

 翻訳すると休暇とか休みとかですが、休暇は休みで暇である状態、休みは単に身体を休めているだけで、連休に遊びに出掛けるという意味合いは感じられません。そもそも、日本には、連休に遊びに出掛けるという風習が無かったのだと思います。

 バケーションの有用性は、息を吐いて吸う呼吸に似ています。

 バケーションで一回頭を空っぽにした後に、改めて仕事に向き合うと、仕事がとってもはかどるというわけです。



 憲法を公布した11月3日は、文化の日になりました。

 1948年6月18日の国会の文化委員会の議事録から以下転載します。



―この日は、憲法において、如何なる國もまだやつたことのない戰爭放棄ということを宣言した重大な日でありまして、日本としては、この日は忘れ難い日なので、是非ともこの日は残したい。

 そうして戰爭放棄をしたということは、全く軍國主義でなくなり、又本当に平和を愛する建前から、あの宣言をしておるのでありますから、この日をそういう意味で、「自由と平和を愛し、文化をすすめる。」、そういう「文化の日」ということに我々は決めたわけなのです。

 併し心持からすると、本当は我々は今も尚実際憲法記念日にして置きたいのでありますけれども…



 昔の人は良いことを言いますね。皆様もぜひ心の豊かさを涵養して、文化をすすめましょう。




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2023/4/29
文責:福武 功蔵