第151回 リコ―守ろうとしているものの巻


 魔法少女まどか☆マギカの登場人物、魔法少女・佐倉杏子は、「ただ一つだけ、守りたいものを最後まで守り通せばいい」と言いました。



 何を守る?

 新海誠監督の映画「君の名は。」は世界を救い、守る物語であり、映画「天気の子」は世界がどうなろうとも、愛する人を守り通す物語でした。



 リコリス・リコイルの主人公、錦木千束は、こう言い切ります。



  今のままでも、好きなものはたくさん…(中略)…街の人。おいしいものとか、綺麗な場所。仲間。一生懸命な友だち。…それが私の全部。

  世界がどうとか、知らんわ。



 自分にとって大切な人たちや大切なもの、つまり自分を中心とした小さな宇宙を守る。

 これが心地よい。

 ですが…



 ウクライナにおける戦争がもう1年以上も続いていることに心を痛めています。

 報道は少ないですが、シリア、イラク、アフリカにも戦争状態のところがあることでしょう。

 遠く離れた場所からは祈ることしかできず…。

 平和を祈ります。



 現実の私たちは、日々の仕事、家族や友人とのかけがえのない時間、食事に休息、時々バケーション、という暮らしを過ごしており―かけがえのない暮らしであり―このかけがえのない暮らしを守ることが、私たちにとっては大切なことだと思います。



 魔法少女・暁美ほむらは、「私が 守ろうとしているものとは それは つまり あなたの そういう日々なのだと」と言いました(※)。



 できることを精一杯やるという意味で―

 錦木千束のように、割り切ってしまうことはなかなかできませんが、守ろうとしているもの、自分にとって大切な人たちや大切なものを、守っていこうと思います。



※ 出典 魔法少女まどか☆マギカ10TH ANNIVERSARY BOOK 3 65-84ページ「幌田 逃げ水に触れる」




新着順一覧 − 番号順一覧 − 前を読む − 次を読む − トップページ


2023/3/30
文責:福武 功蔵