同い年、1973年生まれのマジシャン・セロのドキュメント記事を読みました―
最後の話が印象的でした。
90歳でも100歳になっても
心の中に子どもがいれば
その子に問いかけてる
ぼくも49歳の子どもだから
この20年間を振り返って、セロが語っていたことは、マジックを見たときの感動、不思議な力を見たときに感じる感動のことでした。
それこそが重要なことであり―欺いたり見破ったりするトリックが重要なわけではない―。
なぜ、最初はマジックに感動していた観客が、次からは、自分でトリックを見破ろうと思ってしまうのでしょうか。
どうして、私たちは素直な感動というものを、簡単に失ってしまうのでしょうか。
何が本当に大事なのかを知るには、結局のところ、それを失うという喪失の経験をしなければ、本当には分からないということなのかもしれません。
もしそうだとすると、人生は2週目からが本当のスタートだということになってしまうのだけれど。
でも、人間は、学ぶことができる、賢い生き物だと思います。
戦争を経験していなくても、戦争の悲惨さを学ぶことはできるように、
何が本当に大事なのかを学べば、本当に大事なものを、本当に大事にできるはずなのです。
セロの話から、学べること―
マジックを見たときに一番大事なのは、素直な感動そのものであること。
素直な感動というものは、他に代えがたい、本当に大事なものなのだということ。
素直さこそが大事なものであり、経験や実績が素直さを奪うのであれば、いったん、経験や実績を無いものとして考え直した方がよいのかもしれません。
50歳になり、今後の人生について、いろいろと考えている今日この頃です。