長男が面白かったと言うので、リコリス・リコイルをネットフリックスで視聴しました。面白かったし、とっても癒やされました。
日本の文化で、今まで足りなかったものが、最近言われるようになったSDGsの概念、継続性です。
日本では、命は散るもの、モノは壊れるものという前提で、いろいろな事柄が組み立てられていたように思います。いずれ全てが滅びてしまうことは仕方のないことだと諦めた、滅びの美学と言うこともできます。
命はいずれ散るのだから有為に使おう、モノは壊れるものだからなるべく大事に使おう、という文化です。
苦しいときは皆苦しいのだから頑張ろう、力を合わせよう、そのような文化だと思います。
継続性を考える視点は、日本の文化にとって新しい視点です。
そのような視点で考えることができる人は、ニュー・タイプ(NT)と呼んで差し支えないように思います。
ニュー・タイプ(NT)という言葉は、機動戦士ガンダムという日本のアニメ史に残る名作の中で生まれました。
未来の予測ができる、新しいタイプの人間という意味です。
継続性を考える視点で考えることができる人は、未来の予測ができる新しいタイプの人間です。
リコリス・リコイルの主人公、錦木千束(にしきぎちさと)の頭文字はNTです。まさにニュー・タイプ。
この主人公、錦木千束の思考や行動に、私はとっても癒やされました。
「まどかマギカ」を見た後、私は、自分のように他人を助ける仕事をしている者は、いつか絶望に負けてしまうのではと怯えてしまっていたのですが、
人助けを仕事としながらも、錦木千束の思考や行動は明快です。
「自分がやりたいと思うことをやる。」
完全に利己と利他を一致させています。
苦しいときは頑張ろうでは、どこかで行き詰まります。そうではなく、元々苦しくないようにしておいて、全てを楽しもうという、継続性を考える視点がそこにあります。
リコリス・リコイルは、新型コロナウイルス禍やウクライナでの戦争など、暗いニュースが多い昨今、明るいアニメでなければ売れないという明確なコンセプトの下で作られた、人があまり死なないアニメです。
私にとっては、「まどかマギカ」に対する解答、出口のような素敵な作品でした。
余談ですが、私が数年前から構想して、現在書きかけている小説の設定が、かなりリコリス・リコイルに近いところがあります。
珈琲店というところと、現実的にありそうな特殊能力、絶対的な悪者はいないという世界観が共通します。
まあでもその程度の共通はよくあることだと自分に言い聞かせて、今年中に一作目を書き上げようと思います。