小説「四畳半タイムマシンブルース」を読了しました。
あまり長くなくて読みやすいのでお勧めです。最初の50ページを乗り越えることができれば、後は一気に読み通すことができます。
青春小説の中の青春小説であり、すでに青春時代を終えた身としては、青春とはかくも下らなく普遍的で、一過性で二度と帰ることのない、人生の貴重な瞬間なのだなあと、懐かしく思うのでした。
作中の登場人物は、それぞれに輝いていて、とっても好ましく思いました。
これほど自分の好みに刺さった本は、初めてです。
この本の執筆経過は単純ではなく、あとがきの解説を読むと、今年文庫本が出たこの本(単行本は2年前に出ました)の物語が編み上がるまでに、20年もの歴史を経ているようです。
本筋と全く関係のない、下らないサークルの下らない分裂劇がまた面白くて、ああ、世の中のいろんな団体のいろんな分裂劇も、下らないけんかから始まったのだろうなあと合点が行きました。
東京では弁護士会が3つの会に分裂していて、ときどき面倒に思うこともあります。今となっては仕方のないことなのでしょうが。
ともあれ、分裂は下らないなあと思いました。皆さん、お茶でも飲んで、仲良くしましょう。