第144回 諸星あたるは結婚に向いていないの巻


 最近放送された、うる星やつらのアニメを見ました。

 主人公の諸星あたるが、綺麗なお姉ちゃんを見ると本能的に近寄ってしまい、そのことでトラブルが起きるというコミカルなお話です。

 可笑しくて笑ってしまうのですが、じつは世の中によくある話なのではないかと思い、作者の高橋留美子先生はものすっごい天才なのではないかと思いました。



 夫が浮気した、離婚する、子どもの親権でモメる…深刻な悲しい話です。

 この夫を諸星あたるに変えると、急にギャグのようなお話になってきます。そもそも、常に理性よりも本能が勝ってしまう諸星あたるは、結婚に向いていないのです。



 女の子が家出した、露出の多い服を着てボーイフレンドと遊んでいる…親からすれば心配の多い話です(親がいない場合もあるでしょう。)。

 この女の子を元気一杯のラムちゃんに変えると、急に明るいお話になってきます。前提として、女の子の身の安全は社会全体で守り通すという、社会のあり方が必要不可欠ですが。



 ラムちゃんの造形についても、2022年の現在の視点で見ると、現在大人気のスパイファミリーのアーニャの角飾りはラムちゃんが発祥かなあ、初音ミクの緑色の髪もラムちゃんが発祥かなあ、などと思わされます。逆に、ラムちゃんが初音ミクっぽくコンサートを行うようなオープニングムービーもありました。

 うる星やつらは、普段いろいろと難しく考えてしまうことも、視点を変えれば単純で笑える話、元気が出る話になるということを教えてくれているように思います。すごいなあ。




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2022/11/25
文責:福武 功蔵