第125回 プーチン大統領のウクライナ侵攻について(その2)の巻


 ロシアのプーチン大統領がウクライナへ侵攻しました。

 2022年2月27日朝のTBSサンデーモーニングで示唆に富む有識者発言があったので、書き留めておきます。

 ひとつは現代の情報社会において発信し続けることの大切さを訴えるものであり、もうひとつは外交の基礎とすべき法的な指摘です。



 すなわち、国連(United Nations)の実態は、第二次世界大戦の戦勝国の連合国体制であること。たしかにUnited Nationsは直訳すると連合国です。

 国連の前提となっているのが、1941年の大西洋憲章であり、武力による領土侵攻が禁止されています(2条「関係国の国民の意思に反して領土を変更しないこと」)。

 今回の侵攻についても侵攻に反対する法的な根拠はこの大西洋憲章に求められるということです。なお、2021年にアメリカとイギリスが新大西洋憲章を定めていますが、ロシアはこちらには関与していません。



 日本の現実的な方策として、核武装が議論されることと思いますが、少し前にテレビ報道されたイスラエルの対ミサイル迎撃技術を見るに、既に核ミサイルに対する迎撃技術は完成されているのではないかと思います。そうすると核武装してもあまり意味はない。

 プーチン大統領の進軍の速さは驚きでした(プーチン大統領直属の私兵もあるとのことです。)。空を制圧し、拠点を爆撃した上で陸に軍隊を送るという作戦でしたから、日本で考えるべき現実的方策は、そのような作戦に対する備えやカウンターです。例えば制空対策になりうる小型の対戦闘機AI搭載ミサイルの開発・分散配備です(サイバー攻撃を考えるとリモート制御よりAI搭載の方がよさそう。)。軍備を拡充するというよりは知恵を尽くす必要があるように思います。  


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2022/2/27
文責:福武 功蔵