第123回 投資についての巻


 投資とは、要らないものを買うことだと気付きました。投資家は要らないものを買う人で、つまりお金持ちです。投資家と言わずにお金持ちと言った方が分かりやすい。

 相続税がなければ、お金持ちは子孫に財産をそっくり引き継ぐことができるから、お金持ちの子孫もお金持ちになることができるのですが、相続税のせいで代を重ねるごとに財産は細っていきます。

 ところで、日本の場合は古来より「たわけもの」、意味は愚か者という言葉があります。先祖代々の田を兄弟で分ける者は愚か者だということで、前提として長男に全ての田を継がせることが考えられていた。当時の持続可能性(SDGs)の考え方ですね。調べてみると江戸時代には相続税はなく、相続税が創設されたのは明治38年、日露戦争の費用調達の目的があったとされています。

 外国を見ると、あえて相続税を廃止した国もあります。オーストラリアは大きな土地を持つ農家からの不満が大きかったため、1979年に相続税を廃止しました。スウェーデンは、不動産価格が高騰して相続税の納付が難しくなってきた一方で、他に多くの税収があり相続税の税収に占める割合が0.2%と低かったことから、2004年に相続税を廃止しました。オーストリアは2008年に相続税を廃止しましたが、遺産が少数の人々に高度に集中している現状に、社会的背景が人々の将来を決定すべきではないとして再度の相続税の導入を求める意見もあるようです。

 投資の話に戻ると、昔は小豆相場などの相場で一攫千金を狙う人がいたようです。買った小豆が売れない場合は大量の小豆を引き取らざるを得ない。ところが最近は技術進歩のおかげで、FX(外国為替証拠金取引)という、通貨の売買で一攫千金を狙うことが可能になりました。これなら大量の小豆を引き取る必要がありません。簡単に言えば、3回連続でじゃんけんで勝てば勝ちというゲームだと思います。勝つ確率は8分の1、負ける確率は8分の7です。

 私はお金持ちではないのでやりませんが、ロマンはありますね。一番喜ぶのはプレイヤーが勝とうが負けようが手数料をもらえるFX業者です。昔、学生時代に麻雀で勝ったり負けたりしながら、結局勝つのは場代をもらう雀荘だと皆で話していたことを思い出しました。懐かしい話で、今は麻雀をする仲間も近くにおらず、麻雀ができる時間も体力もなくなってしまったので、学生時代にやっておいてよかったと思います。

 


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2021/12/11
文責:福武 功蔵