第122回 待っているの巻


 伊勢へ行った帰りの電車の窓から、広がる田んぼや駅近くの街、工場地帯の灯りなどを見ました。

 田んぼが広がるエリアは広いですが、田んぼに人が住んでいるわけではありません。人は集まって集落で暮らしています。村です。まあ集落と呼ぶことにします。人は集落に住んでいるのです。

 複数の集落から行きやすいところに街ができます。ビルがあったりアパートがあったりします。集落では手に入らない、物資やサービスを売っているのが街であり、街に住むのは街で働く人です。



 良い街はデザインが良い。シンボルとなる何かがありそれが街のオリジナリティとなり、持続可能性につながっています。

 デザインで重要なことは、先に述べた集落と街のちがいを意識することです。集落は集落、街は街と分けて、街をできるだけコンパクトに保つことが大切。国道沿いに店舗が並ぶ郊外型の街がありますが、ある程度のコンパクトさがあれば、これはこれで車によるアクセスと物流の良さが両立できていてよいと思います。



 街に住む人の意識も重要でありまして、次世代の人など、街で働かないのに街に住む人が出てきます。街で働かないのに住環境の悪い街にいる必要はなくて、もっと住環境の良い集落が日本中、いや世界中で待っているのだから、移住すべきだと思います。

 例外は学生で、若い人は夜遅くまで活動するから住環境が悪くても街に住みたいものです。学生街には学生が住んでよく、独自の文化の発達が期待できます。学生はお金がないから、家賃を安くするなどの工夫は必要でしょう。金持ちしか学生街に住めないというのはいただけない。



 ところで、住環境の良い集落が日本中、いや世界中で待っているという話は良い話だと思います。人生における希望につながる話として、子どもたちを相手とした授業の話に取り入れることもできそうです。



 


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2021/11/29
文責:福武 功蔵