第120回 平屋に限るの巻


 日本平屋党を結党します。―建物は平屋に限る。



 従来言われていた、若者の間に広がる閉塞感の正体が分かりました。高層ビルです。

 人間も動物であり、動物は自分よりも大きいものに対してはどうしても圧倒されてしまいます。

 大きな建築物でも、スペイン・バルセロナのサグラダファミリアとの違いは、愛されているかどうかであります。日本の高層ビルは全く愛されていないし、数が多過ぎます。いずれは取り壊すべきでありましょう。



 建物が全て平屋であったなら。空は広く美しい。高いものは山ということになり、山に登る理由があるから山登りが盛んになるでしょう。健康的で良いことです。



 なぜ美しくもない高層ビルを建てるのか。自分だけ高いところに上って他を見下ろしてやろうというのでしょうか。

 建てた人は満足かもしれませんが、その人の死後に残された高層ビルは誰にも愛されない。

 サグラダファミリアはそんな高層ビルとは全く異なります。美を表現しているのであり、遠く日本からも石工がバルセロナを訪ねてサグラダファミリアの彫刻を彫っています。最近、青梅のスペイン関連の書籍を多く置いているカフェでそのような本を読みました。



 と、このような意識で歩いていたら、日本でも美しい場所があるのを見つけました。

 日比谷公園を抜けて帝国ホテルを見たときです。宵の頃で街を灯りが美しくライトアップしていました。特に隣の日生劇場の造形の美しさが目を引きました。奥に宝塚劇場、日比谷シャンテとあり間には曲線を描く石畳の歩道がある。この一画を造形した人は賢いなあと思いました。



 理想の街作りを実現した例は、他には東京ディズニーランドがあります。こちらは俳優の風間俊介さんがテレビでその良さについて熱量を持って解説してくれたので、初めて気が付きました。



 これから日本は、地方都市・郊外都市の時代となることが考えられます。

 街作りをするのであれば、平屋を中心とした、空の広い街作りが望ましい。ランドマークはワンポイントかツーポイント、数を絞ると良いでしょう。夜の光を青色灯などで抑えることで星空がよく見えるようであれば、なお良いと思います。

 


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2021/10/29
文責:福武 功蔵