第83回 野生の息吹についての巻


 野生の息吹(ブレスオブザワイルド)について。2017年発売のゼルダの伝説シリーズのゲームです。

 駅へ歩く道すがら、今宵は三日月でした。三日月の形は独特で美しいと思います。既に沈んだ太陽が斜め右下から月を照らす間接照明です。

 この世界で一番影響力を持つものは太陽だと気付きます。太陽の運行に合わせて人は眠り起きる。黄昏と日の出は壮観です。

 ―そんな簡単なことも普段の都会暮らしでは見落としがちですが。



 ゼルダの伝説ブレスオブザワイルドというゲームをしていてそのようなことを考えました。そのようなことを考えさせるゲームです。とにかくマップ(世界)が広く、山を登り川を渡り、見たことのない風景や動物との出会い、祠の探索と冒険が続きます。

 夜、プロジェクターの画面で(これも間接照明です)このゲームをプレイしていると、鳥の声や動物の立てる物音など野生の、自然の息遣いがよく感じられます。

 音と映像と程よいリアリティにこだわって作り込まれているので中にいるのがまさに快適。

 私にとっては2003年発売の女神転生V以来の最高のゲームです。



 開発者のインタビュー記事を読むと、原点に立ち返った作品とのことで、確かに初代のゼルダの伝説もオープンワールドで自由な探索が楽しいゲームでした。主人公の数値的な強さは据え置いて、プレイヤーのスキルが上がることで先に進んでいくところも共通しています。

 初代ゼルダの伝説は1986年発売、当時としては最新技術のディスクシステムの最初のゲームです。翌年にかけてメトロイド、リンクの冒険と名作が続きました。

 四半世紀を経て振り返ると、ニンテンドーのゲーム制作能力が当時から群を抜いていたことが分かります。

 


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2020/10/21
文責:福武 功蔵