第43回 勝手にスピッツを語るの巻


 スピッツはコアなファンが大勢いらっしゃるので畏れ多いのですが、

 語りたいと思ったので勝手に語ってみます。

 スピッツの楽曲はとても多く、人によって好きな曲がちがうと思いますが、

 私がCD2枚に分けて聞いているのは次の曲です。



 CD1

 ロビンソン、遙か、夜を駆ける、スピカ、

 日向の窓に憧れて、空も飛べるはず、青い車、

 ハチミツ、冷たい頬、楓、スカーレット、

 水色の街、ガーベラ、スターゲイザー



 CD2

 みなと、未来コオロギ、若葉、夕焼け、

 さらさら、スワン、漣、僕はきっと旅に出る、つぐみ、君は太陽、

 新月、ヒビスクス、モニャモニャ、魔法のコトバ



 CD1は1992年の「日向の窓に憧れて」から2004年の「スターゲイザー」まで。

 

 「ロビンソン」のアルペジオ。「遙か」のコーラス。「夜を駆ける」のライブ感。「スピカ」の暖かさ。最初の4曲は特別です。

 その後は年代順です。ヒット曲がキラ星のように続きます。特に「冷たい頬」「楓」「スカーレット」はオリオンの三連星のような輝き。

 「ハチミツ」と「ガーベラ」は個性的なテンポの曲で、草野正宗のヴォーカルがとてもよく合っています。



 CD2は2007年のアルバム「さざなみCD」から2016年のアルバム「醒めない」まで。

 人間・草野正宗にとても励まされます。



 私は何回かスピッツの曲を聞いていて涙が出たことがあります。そのうちの1回が「さらさら」でした。

 この曲は、草野正宗が、東北地方が甚大な津波被害を受けたあの東日本大震災の後に、悩みながら出した曲とのことです。

 長い間、歌詞の意味が分からなかったのですが、ある日、気付いたのです。



 「身体を水に作り変えていく」「魚の君を泳がせ 湖へ 湖へ」



 これは、津波被害で失った人を想った曲なのだと。

 ぶわっと涙が出ました。「スワン」も失った人への想いが感じられる曲です。



 この「さらさら」と「スワン」へのアンサーソングが「漣」です。

 「漣」は、アルバム「さざなみCD」に収録されていて、あるスピッツファンがサイトで一押ししている曲です。私はそのサイトを見るまでこの曲の存在を知りませんでしたし、聞いてもすぐには曲の良さが分かりませんでした。

 1年くらい聞いていたでしょうか。弾むようなギターリフや歌詞に込められたポジティブな希望や励ましがじわじわと感じられるようになりました。

 すばらしい曲だと思います。



 アンサーソングといっても年代的には「漣」は「さらさら」よりも6年前の曲です。草野正宗はすでにそのころ、そのようなポジティブな心境に達していたわけです。

 「僕はきっと旅に出る」、「つぐみ」や「君は太陽」も、「漣」のようなポジティブなメッセージを持ったフルサイズの曲です。続けて聴くととても励まされます。



 「さらさら」よりも前の4曲は、これもまた特別な4曲です。

 カモメが飛ぶ情景まで浮かぶ「みなと」、ギターがかっこいい「未来コオロギ」、青春のノスタルジーを描いた「若葉」。



 そして「夕焼け」は10年以上前の曲なのですが、今年になってから知った曲です。

 ギターで夕焼けの情景を表現しきっていると思います。

 この曲はアルバム「夕焼け」に収録される予定でしたが結局収録されず、そのアルバムのタイトルは「さざなみCD」になったそうです。

 「夕焼け」はアルバム「おるたな」に入っています。




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2018/3/5
文責:福武 功蔵