結果としては、思っていたほど悪影響はなかったというお話。
年明けに、昨年夏に買ったばかりの新型ThinkPad Carbon X1の調子が悪くなりました。
私はGoogle Chromeの拡張機能のScreencastifyで画面録画をしていたのですが、急に画質が悪くなったのです。
一度、新型ThinkPad Carbon X1を出荷状態に戻したら、良くなりましたが、今週になって再び調子が悪くなりました。
調べたところ、原因はおそらくインテルのパッチだろうと思われました。
インテルは、CPUに存在する脆弱性を守るために対策のパッチを作成していたのです。
マイクロソフトはそのパッチに応じたWindows Updateを行いました。
問題なのはこのWindows Updateの効果であり、CPUの動作能力が大きく下がるというのです。しかも現在の環境ではWindows Updateは強制的であり、避けることができません。
近時問題になっているCPUの脆弱性は、SpectreとMeltdownと呼ばれているものです。
脆弱性の仕組みはこうです。
CPUには、もともと、速度向上のために、まだ順番の来ていないプログラムを予め実行する(仮に実行する)仕組みがあるそうです。
まだ順番が来ていないので、とりあえずCPUに付属するキャッシュというところに結果を書き込んでおきます。
順番が来ればキャッシュの内容を速やかに送ればよいし、もし順番が来なければ(そのプログラムを実行しなくてよいということになれば)キャッシュの内容を消去しておけばよい。
この仕組みを悪用すると、本来禁じられている場所へのアクセスが可能となってしまうということです。
本来実行できないはずのプログラムであっても、順番が来る前にはまだ本来は実行できないということは分かりませんから、仮に実行され、その結果がキャッシュに書き込まれます。
キャッシュ内の内容が消去される前に、別のプログラムを使ってそれを読み取れば、本来実行できないはずのプログラムの実行が可能となるわけです。
これは、複数のプログラム間でキャッシュが共通になっていることに問題があるとのことです。
インテルはこの問題の解決のためにパッチを作成配布し、マイクロソフトもそのパッチに応じたWindows Updateを行いました。
このWindows Updateの結果ですが、マイクロソフトの発表では、「最大で14パーセントのパフォーマンス低下」とのことです。他方で「HDDやSSDなどへのIOアクセスが頻繁に起こるアプリケーションでは深刻な影響が出る」とのこと。
新型ThinkPad Carbon X1の調子が悪くなったのは、このあたりの影響と考えられました。せっかく新型を買ったのになあ。
私は新型ThinkPad Carbon X1を戸棚にしまい込みました。
大半のCPUに上記の脆弱性があるということは、大半のCPUのパワーが落ちるということになります。もっとCPUパワーが必要になるのだろうか。
インターネットで調べたところ、ノートパソコンのCPUパワーには限界があります。
デスクトップ型のパソコンなら強力なCPUパワーを持たせることができますが、熱の問題が生じるため、水冷システムを導入しなければならず、かなりの出費となってしまいます。
デル社のデスクトップが来週までのセールをやっていて、安くてよいかなあと思い、ビックカメラへ現物を見に行きました。
保守が簡単で良い造りです。買う寸前まで行きましたが、水冷ではなく空冷なので、熱の問題を考えていったん帰りました。
今のインテルのCPUはターボブーストなので、熱の問題がクリアできなければ、性能の良い高価なCPUであっても高いパフォーマンスを出すことが難しいのです。やはり水冷がよいのですが、水冷は高い…。
困ったなあ。新型ThinkPad Carbon X1さえ動いてくれればなあ。どうして画質が悪いのだ。
Screencastifyの画質の設定が誤っているのかと考え、一度はしまい込んだ新型ThinkPad Carbon X1を取り出して調べましたが、Screencastifyにはフレームレートと画面の大きさの調整はあるものの、画質の調整はないのです。
ふと思いつきました。Screencastifyを再インストールしたらどうなるのだろう。
やってみたところ、画質が元に戻りました。おおおおお。
というわけで、事なきを得たのでした。インテルのパッチとWindows Updateの影響は、心配したほどにはなかったようです。
デル社のパソコンは買う寸前まで行きました。即決しないでよかった。
次からこういう場合は即決するのではなく、1日待った方がよいなあと思ったのでした。