第38回 それぞれに讃えようよの巻


 宗教はこの地球上に数多くあります。

 宗教に入っていない人からすると何だこれはと、とても分かりづらく思うことがあると思う。

 これは、ファンクラブなのだと思えば分かりやすいです。

 じっさいのファンクラブは、宗教の数よりも多いと思います。ファンクラブとファンクラブとでもめることはあまりない。

 サッカーでサポーター同士の乱闘ということはありますが、これはよくないこととされていて、罰金の対象になったりしています。

 宗教はファンクラブのようなものだとすると、宗教についてネガティブなことを言うことが、その宗教を信じる人にとってはとても腹立たしいことだということも分かると思います。

 少し前に、フランスでイスラム教の風刺表現が問題になったことがありました。怒ったイスラム教徒が暴力行為に及んだのです。

 もちろん暴力はいけないけど、宗教についてネガティブなことを言うのもどうかと思う。

 おそらく笑いを取りたかったのだと思うけど、それなら宗教を信じている人も思わず笑ってしまうような、上質な笑いを目指してほしいと思います。

 権力に対する批判と、宗教に対する風刺は、区別できるように思います。言論の自由というものは、権力に対する批判について一番よくあてはまるもの。宗教についてのネガティブな表現が、その宗教を信じている人たちの心を傷付けるものだということは理解しておきたいところです。これはいわゆるヘイトスピーチであり、国家による統制にはなじまないものの、社会からたしなめられてしかるべきものだと思います。

 それぞれの人がそれぞれの神を讃えればよいはず、なぜならファンクラブではそれができているのだから。




新着順一覧 − 番号順一覧 − 前を読む − 次を読む − トップページ


2016/5/12
文責:福武 功蔵