第9回 世界はSPECに満ちているの巻


 世界はとても奥深く、不思議なSPEC(特殊能力)に満ちています。

 だいたい40歳くらいまで生きると、誰しもが特殊能力を持つようになります。

 おそらく20歳くらいで社会に出た後の20年間の積み重ねがそうさせるのでしょう。

 成人するのに20年、SPEC(特殊能力)発動までさらに20年ということになります。

 おもしろいのは能力がかぶることがあまりないことです。

 それぞれの人がそれぞれの人の理由で何らかの特殊能力を持つようになるのです。

 ちなみにわたしの特殊能力は、駅に行くとちょうど特急が来ることです。

 特急に乗らなくてもよいときまで来て仕方なく乗ることもあるし、

 ダイヤを大幅に乱した結果として特急が来ることもあります。

 考えられる理由は、電車移動が多かったので、

 なるべく早く目的地に着きたいという願いがこのような特殊能力を発動させたのだと思われます。

 もう少し分析すると、わたしの動きに合わせて特急が来るというよりは、

 特急の動きに合わせてわたしが無意識に動いているのだと思います。

 だから駆け込み乗車にならない程度にダッシュしてぎりぎり間に合うというようなこともよくあります。

 最近見た他の人の特殊能力は、言葉の順序を一発で正確に並べて話すことができる能力や、

 お願いすると必要なこまごまとした物が何でも出てくる能力などがありました。

 動物の特殊能力はもっと分かりやすく、テレビなどでも驚くべき動物の特殊能力について特集していたりします。

 このように世界は特殊能力に満ちているのです。




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2014/4/2
文責:福武 功蔵