時間の不可逆性の問題というのがある…らしい。
が、これは知覚の説明だけで解決できるように思います。
知覚というのは手続であり、
手続というものは時間の向きが決まっているのです。
必ず直前の手続の結果を受けて次の手続が動く仕組みになっている。
視覚でいえば、網膜刺激→視神経→脳(見るところ)→脳(記憶するところ)という感じでしょうか。
さらにいえば、例えば「椅子が倒れた」という現象を認識するには、
倒れていない椅子→倒れた椅子の順番に認識し、情報の差分に判断を加える必要があります。
このように、知覚には時間の向きが必要で、時間の向きは決まっています。
現象に時間の向きが決まっているかどうかは分かりませんが
(私は、現象には時間の向きは決まっていないと考える立場に賛成します)
知覚には時間の向きが決まっています。
時間の不可逆性の問題というのは、単に知覚の不可逆性を言っているに過ぎません。
この際問題となるのが、エントロピー増大の法則の説明です。
検討した結果、エントロピー増大の法則は存在しないという説を採ることにしました。
ボールを投げたらなぜボールは飛んでゆくのか、不思議といえば不思議ですが、
これを不思議がっていては話が先に進みません。
…ボールが飛んで行った理由は、あなたがボールを投げたからです。それでよいと思います。
部屋を散らかしたらなぜ部屋が散らかるのか、
コーヒーにミルクをほぼ均一に混ぜたらなぜほぼ均一に混ざるのか、
これらも不思議といえば不思議ですが、これらを不思議がっていては話が先に進まないのです。
…部屋が散らかった理由は、あなたが部屋を散らかしたからですよ。それでよいと思います。
でも花瓶を割ったら元に戻らないじゃないか。
…なるほど。でもね。
…技術的に無理だというだけで、逆方向の力をきっちり加えたら元に戻りますよ、きっと。
花瓶ではなくジグソーパズルで考えれば、ほら、ね。