第13回 小型原子力発電所の巻


 東日本大震災の際の、福島第一・第二原子力発電所の事故から、13年が過ぎました。

 直近のニュースなどから、数字を拾ってみました。



 2012年7月、政府は東京電力に1兆円を出資して、議決権の50.1%を掌握して実質的に国有化しました。

 事故による賠償の支払が目的であったと言われています。

 これまでの賠償金などの支払いは、2024年3月現在の時点で、11兆円を超えています。



 他方で、原子力発電から火力発電へ転換したために生じた、燃料の輸入増加額は、2014年の資料によれば年間1兆4000億円とされています。

 円安と燃料価格上昇が進んだ直近では、さらに金額が増えていることでしょう。



 直近の金額は、分かりませんでした。仮に、燃料の輸入増加額が年間2兆円だとすると、福島第一・第二原子力発電所の事故による損失は、その6年分ということになります。

 もちろん大きな損失ですけど、改めて、火力発電に頼ることで生じてしまう経済的損失についても考えさせられました。



 原子力発電は、再開した方がよいのかもしれません。



 福島第一・第二原子力発電所の事故の教訓は、事故は起きるものだということです。

 事故前は、原子力発電所の安全性の広報こそしっかりしていたものの、事故が起きることは想定していなかったのか、事故が起きた際の被害を最小限に食い止めるための、安全弁などの装置は、しっかりと設計されていませんでした。

 事故が起きないことを想定した設計は、もう、採用するわけにはいきません。



 事故が起きるものだという前提を貫くなら、事故の規模を最小限にする工夫をあらかじめ行っておくのが、最善の策だと思います。

 具体的には、原子力発電所の規模を最小限にして分散設置するとともに、設置場所を地下深いところにするわけです。

 現代の日本は人口減少社会であり、国土の大半を占める山林には、廃村が増えていく見込みです。

 このような場所に、新型の小型の原子力発電所を設置します。地下深くとか山の中とかに設置して、事故が起きた場合の被害が最小限になるようにしておきます。



 …というような未来を思い描いてみました。

 原子力発電で生じる、放射能を含んだ廃棄物の処理については、まだ解決されていません。

 この点の解決も必要になります。



 う〜ん。考えていて、なんだか、皆ですっごく頑張れば、解決できそうな気がしてきました。

 私だけかもしれませんけど。




新着順一覧 − 番号順一覧 − 前を読む − 次を読む − トップページ


2024/3/12
文責:福武 功蔵