第46夜(2025年11月25日) 低空飛行


 三連休の後の平日で仕事に出掛けたらラツシユなのか何かあつたのか電車も駅のホームも人で溢れていて驚いた。ぎりぎり何とか、左手を電車の内側のドア枠の上方に置いて身体を支えて、電車に乗ることができた。

 ドアが閉まつて上げていた左手を降ろしたときに、意図せず左肘で女性の頭を肘打ちする格好になつてしまつた。すぐに謝つて許してもらつたけれども、肘打ちであるからかなり痛いことになつたに相違ない。申し訳ない気持ちで一杯である。小さい声でもう一度ごめんなさいと呟いた。今日はどんな低空飛行になるのであらうか。



 昨日は、家の者と買い物に行つた先の駅で迷いさうになつたり、ガステーブルの電池がなくなつたので取扱説明書を探してほしいと頼まれたのに取扱説明書を見付けることができなかつたり、電池交換も家の者が行つたのでその間取扱説明書を開いて掲げるだけの係に任命されたり、単一電池と聞いて張り切つて買いに行つてきますと宣言したのに買い置きの単一電池があつて宣言が空振りしたりと、良いところのない低空飛行であつた。その前日に九十分サツカーをした疲労が取れていなかつたのだらうと思う。

 夕食後のテレビで、猿の顔の一部の映像が出て、この動物の名前は何でせうというクイズをしていた。マントヒヒ?オランウータン?とテレビの出場者が次々に解答を外しており、家の者がこれ何だつたけ?と言つたので、私はマンドリルじやない?と答えて皿を洗いに席を立つたら、果たして正解はマンドリルであつた。合つてた。

 家の者がおお〜と言つたので、私は、今日のピーク、と答えた。確かにその日一日のピークであつた気がした。



 家の者は何か思い付いたらしく、笑いながら私の方を見て、立つた姿勢から少し屈んで片手を膝あたりまで下げて掌を広げて、今日のぴーく、と言つた。

 低い。低いなあ。低くてもぴーくはぴーくだよと家の者が言う。

 家の者は気に入つたらしく、その後ももう一度、今日のぴーくと言つて屈んでみせてくれて、面白かつた。



 まあ昨日にしても、黒ずんだサツカーボールを雑巾で綺麗にしたり、カビの生えた歯磨き用のコツプをキツチンペーパーで綺麗にしたり、スマホ用ゲームのガチヤが当たつたりと、思い返してみれば良いことが無かった訳ではない。

 今日の予定も忙しいのであるけれども、まずは行きの電車内でこの雑文を書き上げることができた。思い返してみて良い一日になつてくれるといいのだけれど。






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2025/11/25
文責:福武 功蔵