第6回 ミスを怖れるなの巻


 今日は午前中、八王子で法律相談担当でした。八王子といえば八王子簡易裁判所があり、裁判所へ提出する書類があったので鞄に入れます。法務局八王子支部にも用事があるので書類を準備して鞄に入れます。このように朝、万全の準備をして事務所を出発して八王子へ向かいました。

 さて、法律相談が予定よりも早く終わりました。午前中に法務局の窓口に間に合いそうです。法務局は八王子駅ではなく南大沢駅の近くなので電車に乗ります。

 午前中に法務局の窓口に到着。供託金の取り戻し手続であることを窓口職員に説明して用紙をもらいます。書き込んで持参した書類と一緒に提出。すると、委任状の書き方が正しくないのでやり直しだという。とても残念ですが仕方ありません。

 ここではっと気付きます。八王子簡易裁判所へ寄るのを忘れていたのです。八王子簡易裁判所は八王子駅なので、もう一度八王子駅へ行かなければならない。法務局へ行ったのも無駄足だったから、合計2時間のロスです。

 がっかりしながら八王子の簡易裁判所へ向かいます。もしやと思ったがやはり昼休みで午後1時にならないと窓口が開きません。30分近く待合室で待つ。2件仕事上の電話をするがどちらもつながりません。午後1時に裁判所で書類を提出してしょんぼりと事務所がある立川へ向かいました。

 電車は座ることができました。「次は立川、立川」アナウンスと同時にそれまでいた10号車から8号車へ向かいます。8号車で降りればすぐに上りのエスカレーターがあるから。そう思っていました。

 立川駅に着くと、上りのエスカレーターは9号車付近でした。しまった。中央線の上りと下りでエスカレーターに近い号車が違うことを忘れていたのです。これで今日は3度のミスだ。うなだれてエスカレーターを登り、駅のペデストリトリアンデッキをとぼとぼと歩きます。



 ミスはこたえる。辛い。ふと思い付きました―

 ミスしないようにする方法、あるな。もう死んでしまえばこれ以上ミスすることはない。でももちろん死ぬのは嫌です。

 ―もっと生きたい。



 考えてみれば、生きていればミスは避けられないのです。生きるということはミスをすること。

 ミスを怖れるな。なぜなら、生きるということはミスをすることなのだから。



 この言葉は、自分で思い付いた言葉なのに―急速に私の意識を明るくしてくれました。十余年前に仕事上のミスで苦しんでいた人がいました。その人にこの言葉をかけてあげたかったです。折角なので、これを読んで下さっている人にこの言葉を贈ります。

 ミスを怖れるな。なぜなら、生きるということはミスをすることなのだから。





 追記:言葉の言い換えも有効です。「ミス」というと「miss」、何かを失ったかのように思ってしまいますが、じっさいには何も失っていません(英語の「mistake」の「mis」は「間違って」という意味で、別に失うという意味ではありません。)。

 私は「ミス」のことを「あるある」と言い換えています。いつでも誰にでもよくあることだからです。

 昨日は久しぶりのゴルフをしましたが、数え切れない回数の「あるある」がありました。本当に、よくあることなのです―

 


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2019/8/27 2022/3/31追記
文責:福武 功蔵